アテローム(アテローマ、表皮嚢腫)は、皮膚の下にできる良性の嚢胞で、皮脂腺の分泌物が詰まることによって形成されます。以下にアテロームの主なポイントを説明します。
特徴
- 外観: 皮膚の下に滑らかで丸い隆起が見られます。大きさは数ミリメートルから数センチメートルまで様々です。
- 位置: 頭皮、顔、耳の後ろ、首、背中、胸など、皮脂腺が多い部位によく発生します。
- 内容物: 白色や黄色の粘り気のある物質(角質や皮脂)が詰まっています。内容物は悪臭を放つことがあります。
原因
- 毛包の閉塞: 毛穴や毛包が皮脂や角質で詰まることが原因です。
- 皮膚の損傷: 外傷や手術などで皮膚が損傷した後に発生することがあります。
- 遺伝的要因: 家族にアテロームが多い場合、リスクが高まります。
症状
- 無痛性のしこり: 一般的に痛みはありませんが、感染すると痛みや腫れが生じることがあります。
- 炎症: 感染すると赤く腫れ、触ると痛みを感じることがあります。膿が出ることもあります。
診断
- 視診: 医師が外観と触診で診断することが多いです。
- 超音波検査: 内容物や嚢胞の構造を確認するために使用されることがあります。
- 生検: 必要に応じて、嚢胞の一部を取って病理検査を行うことがあります。
治療
- 観察: 痛みや不快感がない場合、治療を必要としないことがあります。
- 切開排膿: 感染した場合、切開して膿を排出します。
- 嚢胞の除去: 再発を防ぐために、嚢胞を手術で完全に除去することがあります。局所麻酔下で行われ、比較的簡単な手術です。
- 抗生物質: 感染がある場合、抗生物質の投与が行われることがあります。
予防
- スキンケア: 毛穴の詰まりを防ぐために、適切なスキンケアを行うことが重要です。
- 早期の治療: 早期に診察を受けることで、感染を防ぎ、症状を軽減することができます。
アテロームは一般的に良性であり、適切な治療を行うことで症状を改善し、再発を防ぐことができます。感染の兆候がある場合や、嚢胞が大きくなって不快感を引き起こす場合は、早めに受診してください。