円形脱毛症(えんけいだつもうしょう)は、自己免疫疾患の一種で、体の免疫システムが誤って自分の毛包(毛が生える部分)を攻撃することによって発生する脱毛症です。この状態は、突然の髪の喪失を特徴とし、頭皮、顔(特に眉毛やまつげ)、体の他の部分に円形の脱毛斑が現れることが多いです。
特徴
- 突然の発症: 脱毛は通常、突然現れ、数週間以内に広がることがあります。
- 円形の斑点: 脱毛は一般的にコインのような丸い形で現れますが、不規則な形を取ることもあります。
- 単一または多発性: 1つの脱毛斑だけが現れる場合もあれば、複数の斑点が発生することもあります。
原因
円形脱毛症の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的要因や環境要因が関連していると考えられています。また、ストレスや特定の感染症もトリガーになることがあります。
診断
視診と病歴から診断を行います。場合によっては、皮膚の生検が必要なこともあります。
治療
円形脱毛症の治療法にはいくつかありますが、完全な治癒を保証するものはありません。治療法には以下が含まれます:
- 局所ステロイド: 炎症を抑えるためにステロイドクリームや軟膏を使用します。
- 局所免疫療法: 化学物質を皮膚に塗布し、軽度のアレルギー反応を引き起こして免疫系を再訓練します。当院ではDPCPを行っています。
- 光線療法: 紫外線を使用して毛髪の再生を促進します。
- 経口薬: 重度の場合には、JAK阻害剤(オルミエント・リットフーロカプセル)を内服します。
生活への影響
円形脱毛症は見た目の変化だけでなく、心理的なストレスや不安を引き起こすことがあります。
予後
多くの人々は自然に髪が再生することがありますが、再発する場合もあります。治療を受けても完全に治癒しないこともあり、長期的な管理が必要になることがあります。JAK阻害剤の内服は効果的であることが多いですが、検査が必要である事、高額であることなどが患者さまが二の足を踏む要因となっています。