尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされる良性の皮膚増殖物です。通常、「いぼ」として知られ、手や足などに頻繁に見られます。以下に尋常性疣贅の主なポイントを説明します。
特徴
- 外観: 小さなドーム状の隆起で、表面が粗く、カリフラワーのような外見をしています。色は肌色から灰色までさまざまです。
- 大きさ: 数ミリメートルから1センチメートル程度まで成長することがあります。
- 位置: 手の甲、指、足の裏、顔など、さまざまな部位に現れることがあります。
原因
- ウイルス感染: ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされます。感染は直接接触や汚染された物品(タオル、床など)を介して広がります。
- 免疫力: 免疫力が低下している人は感染しやすく、疣贅が多発することがあります。
症状
- 無痛性: 多くの尋常性疣贅は痛みを伴いませんが、足の裏にできる場合は歩行時に痛みを感じることがあります。
- かゆみ: 時折かゆみを伴うことがあります。
- 増殖: 一つの疣贅から周囲に広がり、複数の疣贅が形成されることがあります。
診断
- 視診: 疣贅の特徴的な外観を観察して診断します。
- 生検: 必要に応じて、疣贅の一部を取って病理検査を行うことがあります。
治療
- 自然治癒: 多くの尋常性疣贅はいずれ自然に消失します。
- 局所療法:
・クライオセラピー(冷凍療法): 液体窒素を用いて疣贅を凍結し、除去します。
・レーザー治療: レーザーを使用して疣贅を焼灼します。 - 内服療法:漢方薬(ヨクイニン)を内服します。
予防
- 個人衛生: 手洗いやシャワーを頻繁に行い、皮膚を清潔に保ちます。
- 感染予防: 感染者との直接接触を避け、タオルや衣類などの共有を控えます。
- 傷のケア: 小さな傷でもウイルスが侵入しやすくなるため、傷を清潔に保ち、早期に処置します。
尋常性疣贅は多くの場合無害でいずれ自然に消失しますので、あまり小さいものは気にしなくても結構です。ただ、見た目や不快感、痛みがあり治療が望ましい場合もありますので、気になる方は一度受診をおすすめします。