梅毒(ばいどく)は、トレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum)という細菌によって引き起こされる性感染症です。未治療のまま放置すると、さまざまな臓器や組織に影響を与え、深刻な健康問題を引き起こすことがあります。
梅毒の段階と症状
1. 初期(第1期)梅毒
- 症状:感染から約3週間後に、性器、肛門、口などの感染部位に硬性下疳と呼ばれる無痛の潰瘍が出現します。この潰瘍は数週間で自然に消失しますが、治癒しても細菌は体内に残ります。
2. 第二期梅毒
- 症状:感染から数週間から数ヶ月後に、全身に発疹が現れます。この発疹は手のひらや足の裏に出ることが多く、痛みやかゆみはほとんどありません。その他の症状として、リンパ節の腫れ、発熱、喉の痛み、筋肉痛、倦怠感などが見られます。この段階の症状も自然に消えることがあります。
3. 潜伏梅毒
- 症状:第二期の症状が消失した後、何の症状も現れない期間が続くことがあります。この期間中も細菌は体内に存在し、感染力を持ち続けます。
4. 第三期(後期)梅毒
- 症状:感染から数年から数十年後に現れることがあります。心臓、血管、脳、神経系、骨、関節などに深刻な障害を引き起こす可能性があります。症状には、大動脈瘤、神経梅毒、ゴム腫(皮膚や臓器にできる腫瘍様の病変)などがあります。
診断
- 血液検査:梅毒を診断するために行われます。特定の抗体の有無を検査します。
- 症状:硬性下疳や発疹など。
治療
- 抗生物質:主にペニシリンが使用されます。ペニシリンアレルギーのある患者には、他の抗生物質が使用されることがあります。
- 治療期間:病期によって異なりますが、早期の治療が重要です。遅れると治療が難しくなり、後遺症が残る可能性があります。
予防
- コンドームの使用:正しく使用することで梅毒を含む多くの性感染症のリスクを減少させることができます。
- 定期的な検査:特に複数の性パートナーがいる場合や不特定多数との性行為がある場合、定期的に血液検査を受けることが重要です。
- 性行為の相手を限定:信頼できるパートナーとの性行為を推奨します。
- パートナーの検査と治療:パートナーも一緒に検査を受け、必要に応じて治療を行うことが重要です。
梅毒は適切な治療を受けることで完全に治癒することが可能ですが、早期発見と早期治療が重要です。疑わしい症状がある場合やリスクがある場合は、早めに受診してください。