痒疹(ようしん)は、皮膚に強いかゆみを伴う小さな丘疹(こぶ状の発疹)や結節(硬いしこり)が多数できる皮膚疾患です。かゆみによって皮膚を掻き続けると症状が悪化し、さらにかゆみが増すという悪循環が生じることが多いです。痒疹は急性または慢性のかゆみを伴うことがあり、さまざまな年齢層に見られます。
痒疹の原因
痒疹の原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています:
- アレルギー反応:特定の物質(化学物質、金属、食品、薬など)に対するアレルギー反応が原因となることがあります。
- 免疫異常:免疫系の異常反応がかゆみと発疹を引き起こす可能性があります。
- 虫刺されや寄生虫感染:蚊、ダニ、ノミなどの刺咬がトリガーとなり、慢性のかゆみと痒疹を引き起こすことがあります。
- 内臓疾患:特定の内臓疾患(肝臓病、腎臓病、甲状腺疾患など)が背景にある場合もあります。
痒疹の主な症状
- かゆみ:非常に強いかゆみが生じ、かきむしることでさらに症状が悪化します。
- 小さな丘疹や結節:皮膚に小さな硬い発疹やしこりができます。通常、四肢(腕や脚)に多く見られますが、体の他の部分にも発生することがあります。
- 色素沈着や皮膚の硬化:かきむしることで皮膚が黒ずんだり、硬くなることがあります。
痒疹の種類
痒疹にはいくつかの異なるタイプがあり、それぞれ特徴が異なります。
- 結節性痒疹:硬くてかゆみの強い結節ができるタイプで、四肢に多く見られます。
- 湿疹型痒疹:小さな湿疹のような発疹ができ、かゆみが持続します。
- 妊娠性痒疹:妊娠中に発生する痒疹で、特に妊娠後期に多く見られます。
治療法
痒疹の治療には、かゆみや炎症を抑えることが重要です。主な治療法としては以下のものがあります:
- 抗ヒスタミン剤:かゆみを抑えるために使用されます。
- ステロイド外用薬:炎症と免疫反応を抑制し、かゆみや発疹を和らげます。
- 免疫抑制剤:重症の場合には、免疫系の過剰反応を抑えるために使用されることがあります。
- 保湿剤:皮膚の保湿を保ち、乾燥によるかゆみの悪化を防ぎます。
日常生活での対策
- 刺激を避ける:強い石鹸やアルコールなど、皮膚を刺激するものの使用を控えます。
- 爪を短く保つ:かきむしることで皮膚に傷をつけないよう、爪を短く保ちます。
- 冷やす:かゆみが強い場合、冷たいタオルなどで冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができます。
痒疹は慢性化しやすいため、早めに医師に相談し、適切な治療を行うことが重要です。また、原因や誘因を特定して取り除くことが、再発防止に役立ちます。