皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)、または乾燥性湿疹は、皮膚が乾燥し、ひび割れやかゆみを引き起こす湿疹の一種です。この状態は特に冬季に悪化しやすく、高齢者や乾燥した環境に長時間さらされる人々に多く見られます。
特徴
- 乾燥した皮膚: 皮膚が乾燥してざらざらした質感になります。
- ひび割れ: 乾燥によって皮膚にひび割れが生じることがあります。
- かゆみ: 強いかゆみを伴うことが多く、掻き壊すことでさらに皮膚が傷つきます。
- 発疹: 乾燥した部分に赤い発疹や小さな丘疹が現れることがあります。
- 落屑: 乾燥した皮膚が剥がれ落ちることがあります。
原因
皮脂欠乏性湿疹の主な原因は、皮脂の減少による皮膚の乾燥です。以下の要因が関与します:
- 年齢: 高齢者は皮脂の分泌量が減少しやすく、乾燥肌になりやすいです。
- 環境要因: 冬季の乾燥した空気や、暖房による湿度の低下が乾燥を悪化させます。
- 過度の洗浄: 石鹸やシャワーによる過度の洗浄が皮脂を取り除き、乾燥を引き起こします。
- 遺伝的要因: 遺伝的に乾燥肌になりやすい人もいます。
診断
症状と皮膚の状態から診断します。また、他の皮膚疾患を除外するために病歴を確認します。
治療
皮脂欠乏性湿疹の治療には以下の方法があります:
- 保湿剤の使用: 皮膚の乾燥を防ぐために、保湿クリームやローションを定期的に使用します。
- 入浴方法の工夫: 長時間の入浴や熱いお湯を避けることが大切です。優しい石鹸を少量使用し、手でやさしく洗います。入浴後15~30分後に保湿剤を塗布します。
- 局所ステロイド: 炎症を抑えるために、局所ステロイドクリームを使用することがあります。
- 抗ヒスタミン薬: かゆみを軽減するために、抗ヒスタミン薬を内服します。
- 環境調整: 室内の湿度を適度に保つために加湿器を使用することが推奨されます。
予防
- 適切なスキンケア: 定期的に保湿剤を使用し、乾燥を防ぐことが重要です。
- 環境管理: 室内の湿度を適切に保ち、過度の暖房やエアコン使用を控えます。
- 適切な入浴習慣: 短時間のぬるま湯での入浴と、低刺激性の洗浄剤の使用を心がけます。
皮脂欠乏性湿疹は適切なスキンケアと環境管理により予防および改善することが可能です。