イソトレチノインは、海外では重症・難治性のニキビに広く使われている内服薬です。皮脂腺を小さくして皮脂分泌を大きく減らし、従来の治療で改善が不十分なニキビに高い効果が期待できます。一方で、胎児への強い影響(催奇形性)や、肝機能・脂質の変化などの副作用があるため、十分な説明と検査のもとでのみ使用できるお薬です。
1. 日本での位置づけ(未承認医薬品について)
・イソトレチノインは、日本ではニキビ治療薬として未承認の医薬品です。
・海外(アメリカ・ヨーロッパなど)では、重症ニキビに対する標準治療のひとつとして承認されています。
・当院では、医師が必要と判断した場合に限り、自費診療として使用します。
2. イソトレチノインとは
・ビタミンA誘導体(レチノイド)という種類のお薬です。
・皮脂腺の働きを抑え、皮脂分泌を大きく減らします。
・毛穴のつまりや炎症を改善し、新しいニキビをできにくくします。
治療期間の目安は 4〜6か月ですが、症状や副作用に応じて調整します。
3. このような方が対象です
・外用薬や抗生剤内服などの通常治療で改善が不十分な方
・炎症性ニキビが広範囲にあり、ニキビ痕のリスクが高い方
・ニキビで日常生活に支障がある方
※妊娠中・授乳中の方、近いうちに妊娠を希望されている方、肝疾患や脂質異常がある方は治療ができません。
4. 効果
・皮脂が大幅に減る
・炎症を伴う赤いニキビが減る
・新しいニキビの発生予防
・ニキビ痕(赤み・凹凸)の悪化を抑える効果が期待できます
治療後も数か月〜数年にわたり、ニキビができにくい状態が続くことがあります(個人差あり)。
5. 副作用・リスク
【よくみられる副作用】
・口唇の乾燥、ひび割れ
・皮膚の乾燥、かゆみ
・鼻の乾燥、鼻血
・目の乾燥(コンタクトレンズ不調)
・関節痛・腰痛
【検査で確認する副作用】
・肝機能の変化
・中性脂肪、コレステロール値の上昇
【最も重要なリスク:催奇形性】
イソトレチノインは、胎児に重大な奇形を引き起こす可能性があります。
・妊娠中は絶対に服用できません
・治療中および治療後6ケ月を経過するまで、確実な避妊が必要です
・当院では、必要に応じて妊娠検査を行います
その他まれに、頭痛、気分の落ち込み、視力の変化などが起こることがあります。
6. 当院での治療の流れ
【初診】
・ニキビの状態、治療歴の確認
・リスク・副作用の説明
・治療希望の場合は同意書を記入していただきます
【治療開始前の検査】
・血液検査(肝機能・脂質など)
・妊娠検査≪必要のない方、又はご自身でご自宅で検査をされる方は、処方毎に用紙にご記入をお願いしています。≫
【治療開始後】
・定期的な診察
・血液検査(肝機能・脂質など)
・妊娠検査≪必要のない方、又はご自身でご自宅で検査をされる方は、処方毎に用紙にご記入をお願いしています。≫
※検査の頻度は個別に調整します。
7. 妊娠・授乳・献血について
・妊娠中・授乳中は内服できません
・治療中および治療後6ケ月は妊娠を避けてください
・治療中および治療後一定期間は献血ができません
妊娠希望がある場合は、他の治療法をご相談ください。
8. 費用(自費診療)
・初診料:2,240円
・再診料:1,120円
・処方料::1,120円/回
・血液検査(肝機能・脂質):3,850円/回
・妊娠検査:1,100円/回
・イソトレチノイン内服薬:
10mg:8,800円〜/月
20mg:13,200円〜/月
30mg:16,500円〜/月
※治療期間6か月で概ね10~20万円程度になります。
総額は治療期間や内服量により変わりますので、お気軽にご相談ください。
9. よくある質問
Q:どのくらいで効果が出ますか?
A:1〜2か月頃から改善がみられ、4〜6か月の治療が目安です。
Q:治療後に再発しますか?
A:多くの方は治療後もしばらくニキビができにくい状態が続きますが、個人差があり再びニキビがひどくなることもあります。
Q:相談だけでもいいですか?
A:もちろん可能です。まずはニキビの状態をみながら、一番合う治療を一緒に考えていきます。イソトレチノインは自費診療になりますので、院長の診察枠でお越しください。

